r_cafeオーナー/茶道教室運営/食空間スタイリスト
渡邊かおり
東京、四谷のギャラリー&スタジオ「r_cafe」、茶室「有庵」を運営
幼少期より茶道、日本舞踊、茶道教授の母より懐石、池坊教授より華道を学び、テーブルアーティストアカデミーの坂口恵子氏よりテーブルコーディネート、ニューヨークにてフラワーアレンジメント、ロンドンにて紅茶とアフタヌーンティー、アカデミーデュヴァンにてワインを学んだ経験を活かし、作品展、個展企画、セミナー企画、茶道指導、レストランコンサルティングやイベントプロデュースを手掛ける
大学卒業後ANA国際線客室乗務員として勤務
1994 テーブルアーティストアカデミー、坂口恵子氏に師事
2002 東京ドームテーブルウェアフェスティバル入選
2002 テーブルコーディネートサロン「r_cafe」主催
2004~6 米国ニューヨークにて
NYスタイルの料理・フラワーを学びNYレストランコンサルタント・イベントコーディネーターの下で研鑽を積む
NY自宅にてテーブルコーディネートサロン「r_cafe_nyc」を主催し人気を博す
茶道指導(タイムズスクエア、ロイタービル、ミートディストリクトエリアにて茶会開催など)
2006 ロンドン滞在中紅茶&アフタヌーンティーを学ぶ
帰国後再渡航NYCにて、アフタヌーンティー講座開催し好評を博す
2006~ 東京にてフードスペースコンサルティングr_cafeを立ち上げ
新規オープン店舗コンサル、パーソナルコンサル、パーティーコーディネート他、様々な食空間演出を担当
複数の学校法人にて、茶道、食空間演出講師として勤務
2015 東京四谷にギャラリー&スタジオ「r_cafe」、茶室 有庵オープン
保有資格:食空間コーディネーター、テーブルアーチスト、茶道宗徧流教授、日本民族衣装協会着付け講師、紅茶インストラクター、花柳流日本舞踊名取
四谷三丁目のギャラリーをオープンさせるまでの経緯を教えてください
こちらは構想としては割と早い時期からありました。『r-cafe』を開始して間もなくなのですが、これまでのように自宅で行うのか、専用に一部屋借りて行うのか、など様々な案がありましたが漠然としたものでした。自宅リビングでサロンを開いていた頃は、お客様をお通しするエリアに出ている子どものものや日常品を片付けたり、サロンとしての雰囲気を出すために生活感を消していく片付けのストレスからいつか解放されたいという思いもありました。
本格的に物件を探し始めた当初、古いビルを改装して1階をサロンに利用し、上の階を貸すなどで収益を上げられたら、と考えていましたが、大通り沿いでは価格面で負担が大きいなどなかなか希望通りには見つからないので、少し奥まったところなどで2、3階建てのビルを中心に探すようにもなりました。最終的に決まるまで、1年半ほどかけて物件探しをしていました。
物件が決まった後、一番大変だったことは設計です。テーブルコーディネートでも、茶道でも、お料理でも、私が一番大切だと思っている水屋仕事、「人に見えないところでの準備のクオリティがサービスパフォーマンス向上につながる」、という事をどのようにかしてオープンにできる方法はないか、と考えていました。私は、裏方でお稽古したり、丁寧に準備や盛り付けをしたからこそ表に出せるという事を学ぶ場にしたかったのです。本来なら、茶道ではすべてのお仕度をする水屋というのは一番小さな空間で、お客様からは見えないのですが、あえてそこを見えるようにしてお茶室に通じるように設計しました。これは客室乗務員時代のキャビンに対してのギャレーでの仕事からもインスピレーションを受けています。
現在感じているやりがいを教えてください
これまでの経過から私のまわりにいた人たちを通じて、また新たなつながりや、その出会いから生まれるプラスアルファが自分の存在価値につながっていると感じ、そういったご縁を得ることが最近の一番嬉しいことで糧となっています。
たとえばギャラリーで販売している扇子などの和雑貨や器について、買い手のイメージを作家さんに伝えてオリジナル作品を作っていただくことで、必要な人に必要なものをご紹介するという橋渡しの役割りをしています。
今後はMade in Japanのものを海外に発信していく機会を作っていきたいと考えています。具体的には、和食器を取り入れることをフレンチのシェフに提案するなどすると新たな融合を生み出せるのではないかと思います。これは私の強みでもあり、和の文化を学んできたからこそできるのではないかと感じています。
ワークライフバランスについてお聞かせください
私は自分の周りの人たちが現状に不満を持っているようなときには、うまく事が運ばないのではないかと思っています。そのような時期には意識して仕事をペースダウンしたり、見直すようにしていると、時期が来たときに逆に周りからそろそろ仕事の量を増やしても大丈夫なのでは?声をかけてもらえたりしました。
自分がやりたいから、と周りの状況を見ずにどんどん突き進み色々なバランスが崩れていくよりも、女性として生きていく長い人生のなかで周囲とのバランスを取りながら進めていくことが大切だと思うようになりました。
日常的に気を付けていることは、日々の時間は限られていますので、大切なことはきちんと書き出し、優先順位をつけるようにしています。ひとつずつ仕分けをしながら、削れるもの、できること、やりたいことのバランスが取れるように調整するよう日々意識しています。
将来の夢や目標を教えてください
いつか『r-cafe』を実際のカフェとして営業できるようにしたいと思っています。
様々な方と案を練り、発信する場として機能させていきたいです。最終的には新しくオープンするビルに出店するなど出来ればと考えています。
また、今から実践していきたい目標としては、多くの海外のお客様へ日本文化を紹介したり、小さい子どものいる親子を対象に日本文化を身近に感じ、知ってもらい、真のインターナショナルに活躍する将来の若者の一助になれるようにしたいと思っています。インターナショナルに生きるには、ナショナルを知っていることだという事を伺ってから、この想いは確信的になりました。
r_cafeオーナー/茶道教室運営/食空間スタイリスト
スタイル | ギャラリー&スタジオ、茶室 運営/茶道 |
ホームページ・ブログ | http://www.rcafe.net |
詳細 | 東京都新宿区愛住町16番地 茶室とキッチンを備えた新感覚のギャラリー&スタジオが四谷三丁目から徒歩2分の立地にオープンしました。 |
PR | NYで身に付けた都会的なクールさと、幼少より慣れ親しんだ暖かい和のテイストを融合させたスタイリングを得意とし、料理と器のマリアージュに重点を置いたきめ細やかなコーディネートを目指しています。 |
私の育った家庭は、和のものが常に身近にある環境でした。母が茶道の教授であることから、自宅でも常に日本文化に触れて育ってまいりました。
日本文化が何か特別な事、というのではなく幼いころより身の回りに日常的にあった雰囲気や、日本舞踊や茶道、華道の稽古を通して自然と私の中に入っていったように思います。
一方、成長するに従い英語を身につけて海外に出たいという思いも強くなっていきました。
それは、父の仕事柄自宅に海外からのお客様をお招きして国際交流をする機会が多かったことが基になっていると思います。茶道においても共通することですが、お客様へおもてなしをするという事が私の中に自然に身に付いていきました。
就職したANAの国際線客室乗務員の仕事では、プロとしての顧客満足についてみっちりと叩き込まれ、接客だけでなく、指導インストラクターなど様々な視点を持つ経験をすることができました。幼いころから世界の国々を身近に感じていましたので、海外に行く機会のある仕事に就き、とても充実した日々を送ることが出来ました。
5年間の客室乗務員としての仕事は、私の中に根付いている様々なことを活かせましたし、海外で刺激を受けることもでき、大変充実していたのですが、次第に体力的な負担について考えたり、より自分の中の世界を広げていきたいという思いを抱くようになっていきました。
テーブルコーディネートやNYスタイルのフラワーアレンジメントなど、幼いころから身に付けたことに様々なエッセンスを加えていくうちに、私が漠然と抱いていた,茶道を指導できるようになりたいという願いを実現させるために、まずは身近なことから始めることにしました。
テーブルコーディネートの勉強は、客室乗務員2年目にテーブルアーティストアカデミーにて始めました。それまで茶道で学んでいた、おもてなしをする、器を使ってお料理やお茶をお出しする、ということを洋風に転換するのは新鮮で、仕事のスケジュールと調整しながら勉強を続けました。一般的に茶道で器といえば、お茶碗というイメージを抱くことが多いのだと思いますが、茶道のおもてなしでは、お茶事といってお菓子だけでなくお食事もお出しすることになっています。その季節、行事によって器も変わりますので、茶道の稽古を重ねるうちに和食器への興味が深まり、そこから洋食器へも視野が広がっていきました。会社での、ファーストクラスの訓練でも洋食器の勉強をする機会があり、和食器の文化に通じるものを感じていましたので、海外でも各地の器に触れたり、美術館などで目を養ううちに、奥深さに魅了されていきました。
私の興味がどんどん広がっていき、自分の世界を持ちたいと思い始めたため、一度、客室乗務員の仕事に区切りをつけてテーブルコーディネートについて勉強から実践へと移すことにし、2002年にテーブルコーディネートサロン『r-cafe』を自宅で開始しました。その後生活したニューヨークにおいても自宅サロンを主宰していくうちに、この仕事にはコンサルティングの要素も含まれているということを感じました。
ニューヨークで開始した当初、テーブルの上にただ食器を並べるだけではなく、「この器を売りたい人がいるから」「これを見たい人がいるから」「これを食べるためにお店を開きたい人がいるから」という観点を教えて頂き、コンサルティングに加えて営業力もあることが大切だと感じました。
自然の出会いでニューヨークでレストランコンサルティングをしていた方について勉強させて頂きながら、日本人駐在員や現地在住の方々を対象にサロン活動をスタートさせました。自分の興味に合わせてアプローチしたり、それまでに見つけた素敵な器を紹介するなどニューヨークでの自分の活動を掲載していたブログを通して、在住の方、駐在の奥様をはじめ、旅行の際に訪ねてきてくださる方にご参加いただいたサロンワークは大変賑わい、楽しいものでした。また、レストランやイベントのコーディネートのほか、茶道指導をする機会を得ることができました。現地の方、駐在の方に茶道の紹介をはじめ、着付けなど日本の文化をお伝えし、タイムズスクエアや、小学校、ミートディストリクトエリアなどで茶会をするご縁もありました。
その後、ロンドンでは客室乗務員時代に取得した紅茶インストラクターの幅を広げるために紅茶とアフタヌーンティを学びました。
日本に帰国後、改めて自宅にて『r-cafe』を立ち上げましたが、コンサルティング業務の依頼が増えだした矢先、次男を授かりましたので、少しずつ仕事の量をセーブし、茶道講師の仕事をメインにシフトチェンジすることにしました。そして、2015年に次男が小学校入学のタイミングで四谷にギャラリー&スタジオの『r-cafe』をオープンし、本格的に再始動しはじめました。