私が入学した学科は物理を専門とする学科でした。そちらでは音楽とは関係のない学問を専攻していたのですが、卒業研究をするに当たり、別の学科に音楽に特化した研究室があることを知り、自分は音楽が好きであることを直接教授に直談判し卒業研究で音楽を扱うこととなりました。私の研究テーマは「自動作曲の研究」でした。こちらの研究室では音響系の研究をしていて、たとえば、音が全く響かないようにする無響室、ホールなど残響をコンピュータで制御するシステムの研究、ピアノの音をコンピュータでいかに人が弾いているように再現するか、鐘の音の減衰していく様子をコンピューターで解析し表現していく、というように音楽、音に関する研究、という共通点はあるものの研究者たちはそれぞれ自分の興味のある研究を進めていました。